島津くんしっかりしてください
……楽しかった?








最初はあんなにも、嫌がっていたくせに?








はじめは、ただただ干渉してくる島津くんが面倒で、早く終われ、なんて考えていたのに。
















……いつの間にか、そんな騒がしい日々が、大切になっていた。










情けない島津くんの恋バナを聞くのが、楽しくて。











頼ってくれるのが、嬉しくて。































私、本気で笑えていたんだ。





















作った笑みなんかじゃない。








ちゃんと、感情ののった、温かい笑顔。

















……でも、もう無理だよね。









今日だって、本当は島津くんと私と琴音の三人で遊びに行こうとしていた。










だけど、今日の朝になって島津くんはいかない、なんて言いだして。













部屋のドアは閉じ切ったままで、顔を見せることすらしなかった。
















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