島津くんしっかりしてください
「…………私、陽くんに八つ当たりしちゃったんだ」




「……?」






「幼馴染の関係を壊されたって、勝手にショックを受けて、当てつけみたいに、陽くんは私の事を好きなわけじゃない、なんて」







「……ちょっと、待ってください」









鞠亜さんの言葉に、じわりと、背中に嫌な汗がにじんだ。










「それ……島津くんに直接言ったんですか⁉」





「え?」



「島津くんは私のことを好きなわけじゃないって……」



「うん、言ったよ……?」









なぜ怒っているのかわからない、と言った様子で目を瞬かせながら、首を縦に振る鞠亜さん。









「……なに、考えてるんですか」




「え……」




「島津くんがそんなことを言われて、どんなふうに思うか、考えなかったんですか⁉」




「っ……!」










私の言葉に、鞠亜さんはぴくんと眉を引き上げた。









みるみるうちに、青ざめていくその表情。









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