島津くんしっかりしてください
……いや、違う。









正確には、私なんかよりもずっと。










……ずっと、苦しい思いをしている。









それが、どうしようもなく、憎らしくて。









怒りが、おさまらない。









私が、鞠亜さんに言う資格なんて、ないのに。










こんなの、ただの八つ当たりで。











島津くんの心を代弁しているつもりはないし、そもそもこれが島津くんと同じ気持ちかもわからない。









だけど、私が、言いたかったんだ。












……あぁ、島津くんに、会いたい。










島津くんの心に、触れたい。










ぼんやりと霞がかった空に、白い息が広がっていくのを、ただただ、見つめていた。









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