島津くんしっかりしてください
「……まこちゃん、ほんとによかった? ことね、おじゃましちゃった?」



「ううん、そんなことないよ」








むしろ、ナイスタイミングだ。









あのまま琴音が来ていなかったら、気まずくてどうなっていたことやら。











本当に、琴音は私にとって幸運の天使様だ。














ありがとう

感謝の気持ちでその頭をなでると、きゃはと子供らしい明るい声を上げる琴音。









もう一度、その頭に手を伸ばそうとして、はた、と動きを止めた。










その体が、小さく歌をくちずさんで、揺れている。

















「じんぐるべーるじんぐるべーるすっずーがーなる~♪」




「……琴音、その歌は」




「うん? クリスマスのおうた~!」









にこ、と満面の笑み。








そういえば……もうすぐ、クリスマスか。









さっきまでは気にならなかったけど、……なるほど。









街がイルミネーションで飾りつけられていたり、妙に陽気な音楽が流れていたのは、クリスマスが原因か。









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