島津くんしっかりしてください
「……うーん、でも、島津くんだって用事があるんじゃないかな? 友達とか」




「ともだちっ? ようへ―お兄ちゃんにまこちゃん以外のおともだちいるの?」





「……いるかもしれないでしょ」




「えぇー」









……こら、琴音。





島津くんに失礼でしょ。







いるかもしれないでしょ。







その可能性は万に一つもないと思っているけど。









「……それに、私が遊びに誘っても、島津くんが元気になることはないよ」




「……まこちゃん?」









島津くんが今、求めているのは、鞠亜さん。









彼女であって、私なんかではない。







……言っていて、少し悲しくなってしまうなんて、馬鹿だなぁ。









無意識の間に、琴音を抱き上げる腕に力が入ってしまって、琴音が戸惑いの息を漏らした。











まずい、琴音に、動揺が気づかれてしまう。








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