島津くんしっかりしてください
「今から私のバイトが終わるまで、その間琴音の事、よろしくお願いします」



「……うん。任せて。命に代えても守るから」






そう大真面目な顔していう島津くんに目を瞬き、つい吹き出した。






そんなできもしないこと言うなんて……本当に島津くんは馬鹿だなぁ。






「じゃあ島津くんの家の住所教えてよ。LIMEでいい?」



「あっ。うん」






それから島津くんとLIMEを交換して、家の住所を送ってもらう。








「……よし、今度こそ私バイト行ってくるから。琴音、いい子に……」







いい子にしてるんだよ。



そう続けようと思った言葉。






私は数秒思案する。






「まこちゃん?」



「……ううん。楽しんでおいで」



「うんっ」








島津くんと琴音が手をつないで家へと向かう。






その後ろ姿をしばらく見ていて、ぼんやりと考える。









……私は本当に、琴音を幸せにできているのだろうか。






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