島津くんしっかりしてください
「毎年、ありがとうございます。母も楽しみにしてます」







二つ。





母が……ってことは、一つはお母様のもの。








もう一つは先輩のものなんだろう。








つまり父親は頭数に入っていないってことか。









……なんて、無意識のうちに考えていて。






ぶんぶん、と頭を振った。








ううん。無駄な詮索はやめよう。







先輩は私に似ている。







詮索なんて嫌悪を抱く要因でしかないだろうから。










はっと息を吐いて、笑顔を作って、先輩に向き直った。









それから、ふと、気が付く。










……先輩は、島津くんが鞠亜さんに告白をしたことを知っているんだろうか。







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