島津くんしっかりしてください
……でも、それは間違いだったのかな。








あの日、あんなにも眩しく見えた島津くんが、こんなにもやつれて、萎んでいて。









変化することが怖いんじゃないって教えてくれたのは、確かに島津くんだったのに。
















……どうすればいいのか、わからない。







震える唇を噛み締めて、肺に溜まった空気を一想いに押し出す。









ソファーの座面にゆるゆると額を下ろした。














すると、微かに島津くんのまつ毛が揺れて。








うつらうつらとしたブラウンの瞳がこちらにレンズを絞った。










まずい、振動で起こしてしまったのかもしれない。









起きる前に部屋に戻って――……
















「……さねみ、さん……?」



「……」









ふわふわと夢見心地な口調。











< 260 / 372 >

この作品をシェア

pagetop