島津くんしっかりしてください
ハハ、じゃないよ!






保育園生に何吹き込んでるの⁉






結婚……とか、そんなこと言った覚えないけど!






それよりも何よりも友達の恋愛事情を友達の妹に暴露するって何事⁉






言いたいことはたくさんあるけど、何も言葉にならなくて。








赤くなったり青くなったりしながらぱくぱくと口を開閉する私の肩を、琴音が軽く叩いた。












「でもね、でもねっ? ことねずーっと前から知ってたんだよ?」



「え?」






にしし、って悪戯な笑み。




……知ってた?



首を傾げつつ、疑問を声に乗せた。








「……琴音はいつから気づいてたの?」



「まこちゃんがようへ―お兄ちゃんのことが好きだってこと?」



「うん……」







ストローを咥えたまま、きょとんと首を傾げてから、にっこりと笑顔を向ける琴音。









「はじめて会った時からだよ」




「……え?]







その頃は私、まだ島津くんのこと好きじゃなかったはずだけど……?






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