島津くんしっかりしてください
「……謝ることはないよ。俺だって真見さんには無理してほしくない」



「……! じゃ、じゃあっ、琴音がこう言ってたってこともひみつにしてくれるっ?」

じゃないとまこちゃん、『私に無理してる姿を見せないために』無理しちゃう。






そう続いた言葉と、おずおずと差し出された小指。






俺はふっと笑って自分のをそれに絡めた。






こういう子供らしい行動と、冷静で大人びた発言がちぐはぐに見えて、違和感を感じた。







「もちろん。この話は俺と琴音ちゃんの秘密。お姉ちゃんには秘密だよ」



「っありがとう! ようへ―お兄ちゃん!」






ホッと息を吐く琴音ちゃんの頭を優しく撫でた。








……真見さんの家の事情はよく知らない。



それでも、琴音ちゃんのこんな姿を見るとどうにかしてやりたいと、思ってしまう。










……でもなー。真見さん、家の事情に踏み込んでほしくなさそうだしな……。






そりゃあ誰だって、必要以上に首を突っ込んでほしくないだろう。






それは俺にだってわかる。









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