島津くんしっかりしてください
じわじわと頬が赤く染まっている私に、加奈子はにやりと笑う。








「ちなみに私は夏休みに入る前からね! 意識してるくせに素直になれないとか……ぶくくっ……小学生男子じゃん……」




「……あ?」



「あ、嘘っす」







HAHAHAとわざとらしい笑顔をじろりと睨みつけた。








それからゆるゆると机に突っ伏す。








色々と言い返したいことはあるけど、何にも言葉にならなくて。







頬が熱くて、羞恥心に耐えられない。






頭の中がふわふわと熱くて、きゅ、と唇を噛み締めた。













「もうやだぁ……なんでみんなしてからかうの……?」



「え、な、……っ泣いてる⁉」







じわりと潤んだ瞳に、加奈子が目を見開く。



それから眉を顰めて。







「……ねぇ、誠。なんか顔赤くない?」



「だってみんながからかうからぁ……」



「いやいやいや、違くて……あんた、熱あるんじゃない?」



「へ?」






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