島津くんしっかりしてください
「ご、ごめんなさ……今、おりるから……」



「ううん、このままでいて。体調悪いんでしょ」






寝ている間に熱が上がってしまったのかな。






身体を起こそうとしても、自分のものとは思えないほど重くて、うまく言うことを聞いてくれない。






そのうち柔らかな声で諭されて、降りることを諦めた。













「……むかえにきてくれたの?」



「坂田さんに呼ばれたからね」






そんな島津くんの返答に、む、と眉を寄せて不満を表した。















「……わたしのこと、しんぱいしてくれたんじゃないんだ」



「っえ、」












……なんて、拗ねてみたり。














『男は頼られたり甘えられたりするのが好きだって、どっかの雑誌に書いてあったし!』















熱出してるんだし、好きな人だし。






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