島津くんしっかりしてください
でも同時に、さっきの真見さんの反応が、過剰だということも分かった。







いつもの優等生な雰囲気がまるで消えて、冷たい、攻撃的な目。








それでいて、その奥の方では凪いた夜の海のような静けさが広がっていて。






その瞳に射抜かれた瞬間、ぞくりと背筋が凍る感覚がした。






あれが真見さんの本質的な部分なんだろうか。








思えば、真見さんは学校でもそうだった。






優等生で、いつも笑っていて。




日々たくさんの人に話しかけられているけど、その一方でいつも俯瞰しているような。




目の前で起こっている出来事が全部、一つ壁を隔てたところだと認識しているみたいな。







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