島津くんしっかりしてください
20,君を好きになってよかった
さらり
額にかかった前髪を払われた拍子に、意識が浮上する。
おでこを撫でる柔らかくて、それでいてひんやりとした手の感覚。
それが気持ち良くてうっすらと瞼を押し上げると、澄んだ黒い瞳と目があった。
「誠? 起きたの?」
「……え?」
その、声は。
ありえない、のに。
こんなこと、ありえるわけがないのに、どうして。
……どうして、ママがいるの?
一瞬パニックになったけど、すぐに状況は飲み込むことが出来た。
辺りを見るとここは――幼少期に住んでいた――あの家のようで。
私の手は小さくぽってりとしていて、子供の手のようだ。
額にかかった前髪を払われた拍子に、意識が浮上する。
おでこを撫でる柔らかくて、それでいてひんやりとした手の感覚。
それが気持ち良くてうっすらと瞼を押し上げると、澄んだ黒い瞳と目があった。
「誠? 起きたの?」
「……え?」
その、声は。
ありえない、のに。
こんなこと、ありえるわけがないのに、どうして。
……どうして、ママがいるの?
一瞬パニックになったけど、すぐに状況は飲み込むことが出来た。
辺りを見るとここは――幼少期に住んでいた――あの家のようで。
私の手は小さくぽってりとしていて、子供の手のようだ。