島津くんしっかりしてください
……慈善活動をしたってことで成績が上がるかもしれないし。






「じゃあ次は男子だぞー。立候補する奴はいないかー?」






そう先生が問いかけるも、当然のごとく誰も声を上げない。






男子もまだ決まってなかったんかい。






みんなどんだけ嫌がってるんだ。






それだけ文化祭実行委員会って面倒臭いの……?






え、不安になってきた。






「おーい、いないのかー? 今日は決まるまで帰れないぞー?」






マジですか。






そこまで言われると私も焦り出して、先生に耳打ちをする。






「先生、誰も出てくる様子がないですし、今日のところは一度持ち帰ってもらって、明日再度聞くというのはどうですか?」






今日は、金曜日。






絶対に早く帰らなければいけない日。






そう、提案するけど、先生はかぶりを振る。






「いや、ダメだ。今日中に決めて校長に言わないと。俺が怒られちゃう」






まさかの期限が今日まで。




悲報、先生のスケジュール管理が甘すぎる……。






どうしたものか、なるべく早く決めないと遅れてしまう。






少し悩んで、ハッと気が付く。






「先生、じゃんけんはどうですか?」



「ん?……あぁ、いいかもな、早く終わりたいし」






いい加減先生も飽きてきたようで、私の提案をすんなりと受け入れた。





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