島津くんしっかりしてください
前髪をはらって無防備になった形のいいおでこに、ぺんっとデコピンを食らわせた。









「痛っ……⁉」






びくっと肩を震わせる島津くん。







文字通りに跳ね起きた彼は、状況が読み込めないと言いたげにぱちぱちと私の顔を凝視した。









それから、徐々に脳が状況を読み込んできたのかその頬が赤く染まっていく。










「っあ……お、おれ……寝ちゃって、ました……?」



「うん。見ての通り」



「うぁあ~……やっちゃった……」










頭を抱えようとして、島津くんもはた、と繋がれたままの手に気が付いた。












「う、あぇ、これ……は! そのっ、違くて……!」










ぽんっと音が鳴りそうなほど急激に赤くなって手を放そうとするから、慌てて捕まえる。










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