島津くんしっかりしてください
「島津くんって、肌綺麗だよね」



「えっ?」



「丸くて大きい瞳もかわいいし、まつげも長いし、鼻筋はしっかり通ってて横顔は美しいし」



「ちょ、え? ん?」



「身長も高くてスタイルいいし、柔らかい髪質も本当に羨ましいな」



「ま、待って……恥ずか死ぬから、っ」



「……ほんと、女の子顔負けにかわいいし」



「嬉しくない……」







ぷしゅう、と音を立ててゆであがる島津くんにふふっと笑みを漏らして、それからぼそりと漏らした。









「……ほんと、私なんかと釣り合うわけがない」



「……え」








まんまるく見開かれていくその瞳に、はっと我に返る。









まずい、口に出てた。






こんなこと言うつもりじゃなかったのに、これじゃあただの面倒臭い人じゃないか。









瞬時に笑顔を張り付けて、手をぱっと放した。









< 304 / 372 >

この作品をシェア

pagetop