島津くんしっかりしてください
「ほんと、憧れるなー……」






ぽつりと漏れた本音。







島津くんはしばらく無言で黙っていて、それから――……ぎゅ、と、無言で私の手を包み込んだ。















「……真見さんは、世界一かっこいいよ」



「……え?」










なんて、また真面目な顔をして言う。






「かっこいい……私が?」







そんなわけ、ない。





私と鞠亜さんは全然違くて。









鞠亜さんみたいなパワフルさもなければ、明るい太陽みたいな美しさも持っていない。









そんな私がかっこいいなんてそんなわけないって、わかっているのに。





島津くんの真剣な眼差しから目が離せない。









< 310 / 372 >

この作品をシェア

pagetop