島津くんしっかりしてください
「……島津くん適当言いすぎだよ」



「適当なんて言ってないよ」






なんとか声を絞り出すけど、すぐに島津くんは首を横に振った。







それから、……すごく、優しい瞳でこちらに手を伸ばして、そっと頬を撫でた。















「確かに、真見さんは鞠姉じゃないし、似てもいない」



「……」



「……でもね、俺もう知ってるんだよ」



「え?」











柔らかな声色に思わず顔を上げると、笑みをたたえた深い色合いの瞳と目が合って、どきりと心臓が跳ねた。









「誰にも興味なんて持ってないくせに、人から必要とされたら応えてあげようとすること」



「……そんなことした覚えない」



「俺は全部覚えてるよ。文化祭準備週間の時とかね。クラスメイトから頼りになる、リーダーとか向いてるって言われてたの知ってるから」




「…………それは、進んでやったわけじゃなくて、」




「自主的であろうがなかろうが、行動が大事なんだよ。そこに打算の有無なんて関係ない。それに――……」
































< 311 / 372 >

この作品をシェア

pagetop