島津くんしっかりしてください
「俺にマフラーを巻いてくれたのは、真見さんでしょ」








「……」




「あの時、真見さんがどんな気持ちで俺にマフラーをくれたのかは知らないけどさ。俺はすごく嬉しかった。ありがとうって、言いたかった」




「…………」





「クリスマスの日、俺にマフラーを巻いてくれたのは、鞠姉じゃない。真見さんだから」





「………………」
















「優しい強さを持ってる真見さんのことはすごく尊敬してるし……すごくかっこいいと思うよ」






「……………………っ」















じわって、あったかい言葉が心臓に染みる。









目元が熱を持ったのがわかって、慌ててうつむいた。















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