島津くんしっかりしてください
そんな私をじろりと見上げて、島津くんはぼそりと呟いた。




















「……諦めなくてもいいよ」



「!」







低く拗ねてるみたいな声色。






見れば、ぷくっと赤く染まった頬を膨らませていて。









それでも言葉を撤回しようとする様子はない。


















島津くんについて最近知ったこと。






素直な一面ばかりじゃなくて、かっこつけで、ちょっぴりいじっぱり。











学校でのクールな王子様の人格はどこに行ったんだろうと、日々不思議に思う。
















だけど、そんなところもすごく好き。





むしろ、私にしか知らない一面なんだって、優越感を感じてみたり。














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