島津くんしっかりしてください
つい手に持っていたペットボトルをべこっと凹むほど握りしめてしまって、入れた水がぷしゅっと吹き出す。










あ、しまった。キャップを閉じるのを忘れていた。










勢いよく吹き出した水をもろにかぶってしまって、ぽたぽたと前髪から水が滴る。









う、わぁ……寒い……冬に水に濡れるのは自殺行為だって。



私の馬鹿。









とりあえず一つに括っていた髪を下ろし、ぎゅっと絞る。






だけど、服はどうしようもなくて。






冷たく湿ったジャージは肌に張り付いて、容赦なく熱を奪っていく。









ぶるりと体を震わせ、両手で抱き込んだ私。








先輩はというと、お腹を抱えてぷるぷると震えていた。









「くっ……ふ、くく……何やってるの……っちょっといじっただけで動揺しすぎでしょ……ふ、ふはっ、お腹痛ぇ……」




「…………」







密に爆笑する先輩を冷たい視線で射抜いた。






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