島津くんしっかりしてください
「……先輩にも水ぶっかけますよ」



「あーちょっと待って冗談冗談」









低く呟くと、打って変わって真面目な顔をする。









冬に水をかぶることの危険性は理解しているらしい。









それなら笑うのもやめて頂けませんかね……。









じとっと睨むと、先輩はまた少し笑って。













「これ貸したげるからそんなに見ないでよ~。照れちゃうでしょ」




「え、」










パサッて、ジャージを私の肩にかけた。









ふんわり肩を温める熱と、ほのかに香る、爽やかで、それでいてどことなく甘い香り。















先輩のその行為は全くの想定外で、思わず声が漏れた。











ぱちぱちと目を瞬かせて、上目遣いに先輩を見上げる。






「あ、あの……?」



「女の子は体冷やしちゃだめなんだよ、気をつけなくちゃ。ほら早く着て」



「今私が体を冷やしてるのは先輩のせいなんですが……」







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