島津くんしっかりしてください
驚きすぎて、親切にされているにも関わらず感謝の言葉が出てこなくて。






こんな憎まれ口しか出てこない。








ぽかんと口を開いたまま、肩にかけられた上着に腕を通してみる。










「あーやっぱり大きいねぇ」



「ぶ、ぶかぶか……」









気を抜くとずりって、肩からずり落ちてしまいそうになる。









私も女子の中ではそれなりに高いほうなのに……。









島津くんといい、鹿島先輩といい、私の周りの男の子はなぜこうも身長が高いのだろうか。












余ってしまった服の袖をむ、と不機嫌に見つめる。















「なーに睨んでんの? それよりお礼は?」



「っわ……あ、ありがとう、ございます……」








くしゃっって、乱暴なようで優しい手つき。






そういえば、鹿島先輩からは撫でられることが多いな。









どうしてだろう、子供扱いだろうか。










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