島津くんしっかりしてください
そんなことを考えつつ感謝を口にすると、先輩はすっと目を細めた。






「うん、素直でよろしい。……その調子で陽平に告白でも出来たらいいのにね」






皮肉めいたその口調に、思わず息を詰まらせる。

















……やっぱり先輩は、クリスマスの日のこと。






















 
『先輩は、何もしないんですか』

















そう問いかけた私に、確かに苛立ちを覚えていたんだ。






だって、あの頃の私はそんなことを聞く資格もないほど、私だって何もしていなかったから。




















……あの頃、は。

















今は、……今の私は違う。









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