島津くんしっかりしてください
顔を上げて先輩を真っ直ぐに見据えた。










「……私、島津くんに告白したんです」



「っえ、」









黒い瞳がまん丸く見開かれていく。













その中心に映り込んだ私は、酷く緊張した面持ちで。



























……――ただぎゅっと、胸の前で手を握りしめた。




















「……いつ?」



「クリスマス当日です」



「へぇ……ちゃんと挑発に乗ってくれたんだ?」











ぱちぱちと数回瞬きをした後、先輩はふっと楽し気に唇を上へ持ち上げた。














「それで陽平はなんて?」



「……返事はまだもらえてません」



「なるほどなるほど。つまり都合のいい女としてキープされてるってことか」



「言い方どうにかなりませんか……?」









< 325 / 372 >

この作品をシェア

pagetop