島津くんしっかりしてください

「こんなにノリが軽くて初対面の私にスマイル～とか抜かしてた先輩が恋愛初心者なわけないじゃないですか、なんですか冗談のつもりですか、恋愛初心者馬鹿にしてるんですか」




「すーごい長文だねぇ。本当のことなのに～」










信じてくれなくて寂しい、ぐすん、なんてめそめそともっともらしく顔を手で覆う先輩。









勿論その黒い瞳にはひとしずくの涙も浮かんでいない。











疑わし気な視線をじとっと浴びせると、また楽しそうに笑ってるし。










信憑性がまるでないのも無理はないだろう。















「……おっと、もうこんな時間だ。誠ちゃんをからかうのはもうおしまいにして戻らないと」



「やっぱりからかってたんですね……」









思わず睨みつけてしまった私は悪くないと思う。