島津くんしっかりしてください
頭の上にハテナマークを浮かべる私に、ハジメくんは意を決したように顔を上げる。









ぎゅ、と強く手を握られて、至近距離で丸い瞳に射抜かれる。


















「せ、先輩……! 俺がマラソン大会で一位を取れたらデートしてくださいっす!」







そう叫んだハジメくんの頬は、真っ赤に染まっていた。
















私はというと。















「……うん?」











状況を読み込めず、高速で瞬きを繰り返すことしかできずに、固まっていた。















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