島津くんしっかりしてください
「……島津、くん?」






語尾には無意識のうちに少しの疑問符がつけてしまったけど、間違いない。






ダークブラウンの髪を少し乱れさせて、うなだれたまま肩で息をする島津くん。












もしかして……持久走が終わってすぐに走ってきたのかな。









私を……助けにきてくれたって思うのは、傲慢かな。










安堵でほっと息を吐いた私と対照的に顔を顰めたのはハジメくん。










……今、ゲッていった?











慌てて顔を見つめると、打って変わって笑顔を浮かべた。











「なんか人数の問題とかで俺と島津先輩一緒のグループで走ってて。さっきまで色々話してたんすよ」




「い、色々……? そうなんだ……」








含みのある口調に首を傾げるものの、あまり気にするのもよくはないかと考え直した。








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