島津くんしっかりしてください
両方からきゃんきゃんと大型犬が2匹……いや、2人か。






左右から鼓膜へのダブルパンチはうるさすぎる。









にこにこと笑顔の表情を崩してしまうくらいには。








ぽろっと口の端から本音が漏れてしまうくらいには。










とにかくどんな手を使ってもいいから二人を黙らせたくて。

















それで私、言ってしまった。


















「……いいよ」



「「え?」」



「もしハジメくんが一位を取れたら……デートしようか」



「え、」



「ま、マジっすか⁉」









ぱあっと表情を明るくするハジメくんと、対照的に言葉を失う島津くん。








ショックを受けたようにまんまるく満ちていくダークブラウンの瞳に、首を傾げた。










「真見さ……」








その唇が何か言いたげに動いた瞬間、チャイムの音が鳴り響く。









< 338 / 372 >

この作品をシェア

pagetop