島津くんしっかりしてください
両方からきゃんきゃんと大型犬が2匹……いや、2人か。
左右から鼓膜へのダブルパンチはうるさすぎる。
にこにこと笑顔の表情を崩してしまうくらいには。
ぽろっと口の端から本音が漏れてしまうくらいには。
とにかくどんな手を使ってもいいから二人を黙らせたくて。
それで私、言ってしまった。
「……いいよ」
「「え?」」
「もしハジメくんが一位を取れたら……デートしようか」
「え、」
「ま、マジっすか⁉」
ぱあっと表情を明るくするハジメくんと、対照的に言葉を失う島津くん。
ショックを受けたようにまんまるく満ちていくダークブラウンの瞳に、首を傾げた。
「真見さ……」
その唇が何か言いたげに動いた瞬間、チャイムの音が鳴り響く。
左右から鼓膜へのダブルパンチはうるさすぎる。
にこにこと笑顔の表情を崩してしまうくらいには。
ぽろっと口の端から本音が漏れてしまうくらいには。
とにかくどんな手を使ってもいいから二人を黙らせたくて。
それで私、言ってしまった。
「……いいよ」
「「え?」」
「もしハジメくんが一位を取れたら……デートしようか」
「え、」
「ま、マジっすか⁉」
ぱあっと表情を明るくするハジメくんと、対照的に言葉を失う島津くん。
ショックを受けたようにまんまるく満ちていくダークブラウンの瞳に、首を傾げた。
「真見さ……」
その唇が何か言いたげに動いた瞬間、チャイムの音が鳴り響く。