島津くんしっかりしてください
え? それ、って……。







「捨てるって……どうして?










言葉の意図が汲み取れなくて首を傾げると、島津くんはうぐってダメージを受けたようにうつむいた。

















「だって俺はこんなにうじうじしてて情けないし、いつ真見さんに愛想つかされるかわかんないよ……」




「馬鹿なの?」




「バッ……」









思わず口に出してしまった私に、ぱちぱちと瞬きを繰り返した後再びうつむこうとする島津くん。











引き留めるようにその頬を両手で包み込んで、こちらに視線を合わせた。
















「さ、真見さんっ?」




「……私、言ったよね?」




「え、何を……?」





「島津くんはどんくさくて、不器用で、情けない人だって」




「ゔっ」










思わずバッサリと言い切った私に、その瞳が絶望に染まっていく。










< 344 / 372 >

この作品をシェア

pagetop