島津くんしっかりしてください
ほら保健室行こ、なんて軽く腕を引かれて。





抵抗する気もなくされるがままになっていると、黒い瞳がこちらを向いたのがわかる。
















「そんなに足痛い?」



「え?」



「やけに素直だから。……おんぶでもしようか?」



「いらないです」












ばっさりと切り捨てるとだよねなんて笑って、無言で肩を貸してくれる。


















……こういうところは好き。






鹿島先輩は、いつもふざけている。





『いつも』というより、お茶らけた態度が標準装備というか。







……だけど本当は、すごい気遣い屋さんで優しいんだと思う。










先輩と波長が似ているとかそういうの関係なく、話していてすごく楽だから。












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