島津くんしっかりしてください
「……よし、おしまい。じゃあ捻挫したとこには湿布貼って、包帯で固定していくからね~」




「……はい」









笑いすぎて息も絶え絶えな私に、半笑いの先輩を横目でにらむ。








先輩のおかげで痛みは忘れていられたけど……ここまで笑わせる必要はなかったと思う。



絶対。









「包帯包帯っと~あれ、どこにあったかな~」







ごぞごそと棚を探る先輩。








その背中を見て、申し訳なく思いつつ、処置を施された膝に視線を落とした。
















……へぇ。








「……うまいですね」




「ん~?」




「すごく丁寧で……なんか、手慣れてる気がするんですけど」





「あー……昔はよくやってあげてたからねぇ」





「?」









ぴたりと動きを止めた先輩に、首を傾げる。







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