島津くんしっかりしてください
「じゃあ立候補する奴がいないんだったらじゃんけんで決めるぞー。男子立てー」



「えーっ、マジかよ~」



「よっしゃ俺じゃんけん強いからな」



「俺……オワタ」






先生がそういうと一気に、にぎやかになる教室内。






「じゃあ俺とじゃんけんして勝ちとあいこになった奴は座っていいからなー。負けた奴は立ったままでいろよー? 誤魔化して座っても先生わかるからなー? いくぞー最初はグー、じゃんけんポン!」



「「「「「ポン!」」」」」



「よっしゃあああ勝ったあああ!」



「うおっ、おしあいこ! でもよし!」






続々と勝った、またはあいこになった男子が座っていく。






ガタガタと机やいすが動く音が聞こえて、それが聞こえなくなったころには……。






たった一人、己が出した拳を見つめたまま立ち尽くす一人の男子がいた。






「ぶははっ! おま……っ島津一人負けかよー?」



「じゃんけん弱すぎじゃね?w」



「……うっせ」





男子たちに茶化されてため息をついたのは確か……島津陽平くん、だっけ。






「え、マジ⁉ 島津くんが委員なるの⁉」



「えー可哀そうー」



「ってか真見さん羨ましすぎ……変わってくんないかな」






男子の委員が決まった途端に騒ぎだす女子達。






え、そんなに羨ましいの?






それならぜひ変わっていただきたいけど。





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