島津くんしっかりしてください
その笑顔に一瞬で空気が和らいで、洋子さんがポンっと手を打ち鳴らした。






「そうだわ! 難しい話はあとにして、とりあえずご飯にしましょう! あたしなんでも作るから好きな食べ物教えちょうだい!」



「わーい!」



「え、ちょっ……ご飯まで頂くのは……」



「いいんだよ、真見さん。母さん誰かにご飯作って食べさせるのが趣味なんだ」






にこにこと機嫌よく笑う島津くん。






その顔には真見さんと一緒にご飯を食べられるのが嬉しい!と言わんばかりで。


……なんか、島津くんに犬の耳としっぽが見えてきた。






「……わかった。じゃあ、お言葉に甘えて」






諦めてふっと息を吐くと、三人は表情を一気に明るくする。






手を取り合ってきゃっきゃと騒ぐクラスメイトと妹を横目に洋子さんに声をかける。






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