島津くんしっかりしてください
「じゃあ、いただきます!」



「「「いただきます」」」






お箸でハンバーグを一口大に切り、口元へ運ぶ。






……うん、いつも通りの味だ。






おいしい、と私は思う。






だけど、それは自分が食べなれているだけなのかもしれないし、ちゃんと二人の反応を見ないと。






少し緊張しつつ、島津くんと洋子さんの様子を伺う。





洋子さんと島津くんが同時にハンバーグを頬張る。






……どうかな?



まるで合格発表を待っているかのような緊張感。







「っ……」



洋子さんが、呻くような声を発する。






……もしかしたら、まずい、とでも言われるのだろうか。






洋子さん、嘘とかお世辞とか言わなそうだしな。






思ったことをぱっと口に出しそう。






そんなことを悶々と考えていると、洋子さんにがっしりと肩を掴まれた。






「……ぅうっ」




……あまりのまずさに吐き気を催している?






「洋子さん、あの、もしお口に合わないようでしたら、食べて頂かなくても……」



「うまーい! おいしいよ、美味しすぎるよ!」



「あ、え?」






突然大音量で叫ぶ洋子さん。








< 47 / 372 >

この作品をシェア

pagetop