島津くんしっかりしてください
「……ねぇ、誠ちゃん」



「はい?」






みんなあらかた食べ終わったタイミングで、洋子さんが口を開いた。






「……やっぱり、気持ちは変わらないのね?」






恐る恐るといった口調。






私は迷うことなく、きっぱりと肯定した。






「はい、私は同情されて生きていくなんて、真っ平ごめんです」



「そう……」






私の横ではフォークを持ってきょとんとしている琴音。




その視線が困惑したように忙しなく動いているのを見て、琴音に笑いかけた。







「琴音、そろそろ帰ろうか? ご飯も頂いちゃったし、今日はもうだいぶ遅いしね」



「え、でも……」






目が、話の途中じゃないの?と問いかけている。






それを無視して私は立ち上がった。






「それじゃあ、夜遅くまでお邪魔しました」



「……おじゃましましたー。ことね、すっごく楽しかったよ! ありがとう!」






2人でぺこりと浅く頭を下げ、玄関へ続く扉に手をかける。





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