島津くんしっかりしてください
「……それにね? 琴音ちゃん、私はあなたにも働いてもらうつもりだよ?」



「え?」






琴音が元から大きな瞳をはちきれんばかりに見開く。






「こ、ことねも働けるの⁉」



「うん! 琴音ちゃんは陽平と遊んだり、話し相手になったりするのが仕事だよ。もちろんお給料も出すから!」



「おきゅうりょう⁉」






きらきらきら~






琴音が瞳を輝かせて、前のめりになる。






「ことねもお金かせげるの⁉」



「え、いやちょっと待っておかしい」






嬉しそうな笑顔を浮かべる琴音の肩を、ガシッとつかんだ。



そして洋子さんに反論を始める。






「琴音を働かせるなんてそんなこと私が許しません!」



「え? でも琴音ちゃんは乗り気みたいだよ?」



「っ……でも、琴音に無理させるわけには」




「でもでも~琴音ちゃんの望みなら何でも叶えてあげたいんじゃないの~?」



「う……」






琴音を見れば期待を込めた瞳を向けられて、ぐっと言いよどむ。





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