島津くんしっかりしてください
「じゃあ卵焼きを食べて元気になったことだし、そろそろ準備しますか~」






ゆったりと優美な仕草で伸びをすると、重力を感じさせない足運びで歩き出す。






それを見送って、私もやっと食卓についた。






……さて、私も早く食べてしまおう。



まだ出発には時間があるとはいえ、何が起こるかわからない。






もう一度忘れ物がないか確認するべきだろう。






何も遠くへ行くわけではない。






それでも、こんなにも長期間家を空けるのは初めての経験で、少し不安だ。






だけど、もうこれは決まったこと。






心配していても仕方がない。









よし、あともうひと踏ん張りだ。






むんっと両手を握りしめ、気合を入れた。






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