島津くんしっかりしてください
「うん、でも食費、光熱費、水道代、電気代諸々が浮くのはありがたいから」



「お、おおう……? それならよかった……?」






淡々という私に島津くんは頷きつつ首を傾げた。






「じゃあ、部屋に案内するよ。ついてきて」






島津くんに連れられて家に入り、二階の階段を上がる。






「ここが琴音ちゃんの部屋ね。で、横の部屋が真見さんの部屋」



「えっ」






まさか琴音と私で別の部屋を用意してくれるなんて、思ってもみなかったことに困惑する。






「私と琴音、同じ部屋で良かったのに」



「いやいや、うち部屋が余りまくってるからさ。本当の自分の部屋みたいに遠慮なく使ってよ」



「……そっか。わかった。琴音、ちゃんと綺麗にするんだよ?」



「わかったー! ことねの部屋、広ーい!」






ばたーんっと勢いよくドアを開きはしゃぐ琴音の姿。






そうだよね。


うちでは琴音の部屋はないし、今のうちに部屋の掃除を覚えさせるいい機会かもしれない。






そんなことを考えながら、自分に振り分けられた部屋のドアを開ける。





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