島津くんしっかりしてください
小さく声を上げた私に、その女性の視線がこちらを向く。






「あれ? あなたは……?」



「ぁ……っ、お、俺のクラスメイトの真見誠さんだよ」



「クラスメイト……っ⁉」






彼女は茶色い瞳をこれでもかと開き、こちらに視線を向けた。






「はっ……そういえば、陽くんが私以外の人間と話してる……⁉ってことは本当に……?」



「ちょっと鞠姉、その言い方は語弊がある、いつ、俺が、人外と話したの⁉」






途中で気が付いたように口元を押さえて頬を上気させる『鞠姉』さんに、島津くんが慌てたように声を上げる。






「え? 中学生の時ぬいぐるみに向かってジメジメ話しかけてた……」



「ぁぁああ! ストップ!」






きょとんと目を丸くさせた鞠姉さんの口を必死にふさぐ島津くん。






まるでコントのようだ。






島津くんって洋子さん以外ともコントできたんだね。






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