島津くんしっかりしてください
「はじめまして! 木下鞠亜、大学一年生です! 陽くんとは家が近くて、幼馴染みたいな関係です!」






ふわふわと柔らかそうな髪が揺れるたび、あたりに花のようないい香りが漂う。






はちみつ色の瞳に見つめられて、慌てて頷く。






「は、はい。知ってます」



「ほんとに⁉ 陽くんから聞いたのか~。こんなかわいい子に認知されてたなんて嬉しいなぁ」






圧がすごいなぁ……。






勢いに圧倒されつつ、ニコリと笑いかけた。






「いえ……木下さんの方がよっぽどかわいいと思いますけど……」



「いやいやいやいや! それはないよ⁉ 全人類から否定の嵐だよ! それよりも鞠亜って呼んで? 私も誠ちゃんと仲良くなりたーい!」



「はい、わかりました。鞠亜さん」



「うん! よろしくね!」






そこで鞠亜さんは急に声を潜めて。






「もしかして誠ちゃんって……陽くんの彼女さん⁉」



「え……?」





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