島津くんしっかりしてください
まずい、非常にまずい勘違いをされている。






島津くんが好きなのは私ではなく、鞠亜さんですよという言葉が喉まで出かかった。






「ち、違いますよ……?」






とりあえず否定したけど、それで疑いが晴れるはずもなく。







「えーだって陽くんが同い年の女の子と話してるの初めて見たよ? それに、こんな時間に二人でお買い物って……まさか同棲⁉ まさか私お邪魔だった⁉」




「ち、ちちちち違うよっ⁉ 勝手に妄想を捗らせないで⁉」



「むむむ~! 慌てて否定するなんてますます怪しいですねぇ……?」



「あ、あわっ、あわわわわわててない!」






ぶわっと顔を赤くして否定する島津くん。






申し訳ないが、チワワがきゃんきゃんと吠えているようにしか見えない。






2人とも元気だな。






なんて、そんなことしか考えられない私は冷めているのかな。






< 77 / 372 >

この作品をシェア

pagetop