島津くんしっかりしてください
「真見さんの髪の毛サラサラだね」



「そうかな」



「うん。俺はくせっけだから羨ましいな」






そういうと真見さんは俺の頭の方に手を伸ばし、髪を一房持ち上げた。






頭を撫でる、優しい手の感覚。






「っ……!」



「ほんとだ。ふわふわな猫っ毛だね」






思いがけない行動に言葉を失って固まってしまう。






それから、この状況を理解して、ぼっと頬が熱を持った。






「……どうしたの?」






真見さんがこちらを振り返って、上目遣いに俺を見つめる。






いや。狙って上目遣いにしているつもりはないと思うけど……。






ほんのり色づいた頬と、瑞々しく光る唇。






照明に照らされてしっとりと光を反射する黒髪と、潤んだ、猫を彷彿とさせる勝色の瞳がこちらを見つめていて。






さっきまで気になっていなかったけど……この状況まずくないか……?






俺の部屋に……鞠姉以外の女子が入ってる……⁉






それもお風呂上りの色気が駄々洩れな美少女が……!






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