島津くんしっかりしてください
少し迷いつつ、頷く。






「じゃあ……うん、よろしくお願いします」






そう言って頭を下げると、真見さんはほっと息を吐いて、はにかむ。









「うん。任せてください。……いやー、断られたらどうしようかと思ったよ。恩返しって言ってもこれしか思いつかなかったからさ。これからも私ができることでやってほしいことがあったら言ってね」




「あ……っ、ま、待って!」






部屋を出ようとする真見さんの腕をつかんで、引き留める。






「え……?」






真見さんはきょとんとしていて、俺が何を言いたいのか見当もついていない様子。






そりゃそうだ。



俺だって自分が何をしたいのかよくわかってないんだから。






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