島津くんしっかりしてください
「なんでそんなにはっきりというのー! 真見さんは無気力になったら口が悪くなる呪いにでもかかってるんですか!」






それは涙目で、子犬がきゃいんっと吠えてきた程度のものだったので、サラリと受け流す。






「まぁ、こうしろって言ったの島津くんだけどね」



「う……うぃぅ……っ」






それっきり島津くんはベッドに突っ伏したまま動かなくなってしまい。






私は自分の部屋に戻り、一人天井を仰いだ。






……そんなに緊張するようなものなのだろうか。






恋なんて自分の中では不可解なもので、まったく理解が追い付かない。






そもそも自分の気持ちさえよくわかってないのに、人の気持ちを理解しようだなんて、無理なことか。






スッと目を細めて、肺にたまった空気を吐き出す。









……あー面倒臭いな。






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