クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
*放課後*


今日は、初めて奏くんと共に登校しなかった日。

帰りも、独りぼっち。


そう思ってたのに……。


「奏くん……?」

「美都、帰るぞ」


いつも通り、奏くんが教室までお迎えに来てくれていた。

……どうして……。


もしかして、私のこと弄ぼうとしてるのかな……?


いやいや、奏くんはそんなことする人じゃない……はず……だけど……。


どうすれば、いいんだろう……。


「……美都ちゃん」


後ろからした優しく私の名前を呼ぶ声。


「遥希、くん……?」

「こっちおいで」

「えっ?」


はてなマークが浮かんでいる中、ぎゅっと手首を遥希くんに掴まれた。


「は、遥希くん……!?」

「あんな冷徹やろうとは、おさらばしよう?」


ぐいっとそのまま手を引かれて、駆けていく。


奏くん……。


私、完全に嫌われちゃったかな……?

それに、久宝家と婚約させてもらってる分際で他のお偉い家の人と婚約者から逃げるって……結構、まずいことしてるんじゃ……?

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