クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「……ありがとう、遥希くん」
「ううん、大丈夫だよ」
優しく微笑んでくれた遥希くん。
本当に……ひどく優しくしてくれる。
遥希くんはすごいな。
「……家まで送って行こうか?」
「ううん、大丈夫。自分で帰れるよ!ありがとう、遥希くん、本当に」
「うん、全然いいよ。……」
「じゃあ、バイバイ!」
「また明日ね〜」
遥希くんと手を振り合って、階段を降りた。
……遥希くん、またなにか思い詰めているような顔をしていた。
私、力になりたいな。
なにか、できること、ないのかな……?
きっと、あるよね。
遥希くんが困っていたら、私もできる限り助けよう。
……そして……今日は、実家に帰ろうかな。
奏くんと会ってもちゃんと会話できるような気がしないし。