クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
それから僕は、学園ではほぼの時間美都ちゃんといることが多くなった。


一緒にお昼を過ごしたり……とっても、幸せな日々だったのに……。


朝と放課後、美都ちゃんが……冷徹王子と言われる、No.1の久宝家の御曹司と、共に楽しそうに登下校している。


その光景を見るたびに……胸が、締め付けられた。


きっと……見てる限り、美都ちゃんが好きなのはアイツ、久宝奏だ。


納得いかない……あんなに可愛くて純粋な美都ちゃんを、あんな冷たい無愛想なヤツが……あまりにも不釣り合いすぎる。


だけど……こんな地味な僕じゃ、美都ちゃんに好意を持つに等しくない。


僕の家はみんな美形なそうだと思うし……ちゃんと整えれば、僕だって多少はよくなるはずだ。



それから僕は努力を重ねて……周りからも、『久宝の次に』カッコいいと言ってもらえるような容姿になった。


そして、ずっと美都ちゃんを追いかけていた。


時は経ち、中等部二年生。
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