クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「……本当……?美都は、俺なんか嫌なのかと思ってた。だから、別のヤツのところに行っちゃうって、俺寂しいな」


少し下を向きながら、しゅんとしてしまった奏くん。


「ご、ごめんね……!本当に、私は奏くんのこと大好きだから、どこにも行かない……!!」


あっ……だ、大好きって言っちゃった……!?

真剣にそう伝えれば、奏くんは満足げに微笑む。


「ふふっ、よかった。じゃあ、もうあの男とは関わらないでね」

「へっ?あ、はい……」


奏くんは、私になんだか異様な執着をしている気がする。

もしかしたら、表では言えない久宝家の事情があるからかもしれなくて、なんだか寂しさを感じていた。


こうやって、アイツとは関わらないでねって言われるのは初めてではなくて。


小さい頃からよくそう言われていたけれど、私は色んな人と仲良くなりたかったから、だめと言われてもこっそりおしゃべりしたりしていた。


奏くんのそう言うところは、男の子だけではなくて女の子にもあるから、さすがに友好関係を築くに置いて多少は嘘をついてしまっていた。


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